前回、大倶利伽羅についてピックアップをしてみましたが今回はそれに引き続き、燭台切光忠について過去の記事に加えて詳しくやっていこうと思います。
過去の燭台切光忠についてはこちらから→燭台切光忠について
▼燭台切光忠…伊達政宗が小姓と一緒に傍にあった青銅の燭台まで切れたからということが号の由来。関東大震災で長い間、現存していないとされていたが2015年4月に焼刀の状態で徳川ミュージアムにて保管されています。
一般展示は期間限定で最初に「羽田空港美術館ディスカバリーミュージアム」にて公開。
その後、徳川ミュージアムにて特別展示され、水戸梅まつりでも刀剣乱舞と公式にコラボしたイベントなども行われ、その身が焼けてもなお水戸、徳川の人達に大切にされているのがよくわかる。
▼刀としての燭台切光忠
焼刀となった姿は真っ黒でおおよそ、刀としての姿は形のみ。刀のハバキ部分が震災の時に溶けて刀身に残った姿となった。
焼刀、被災刀となっているため、美術品としての価値が失われてしまっても、現在も徳川ミュージアムにて保管されている。
太刀としての長さは2尺2寸3厘。現代の長さだと大体、1尺は30cmなので2尺だと67cmくらい。燭台切もこれくらい。
現在は所蔵しているミュージアムでは打刀で分類されているそうです。
焼けてしまったものの、燭台切は「武庫刀纂」に押形が残されているそうです。押形（おしがた）は立体構造物を塗料を用いて、平面つまりは紙にその形を写し取ること。
簡単に言えば、刀にはんこの朱肉のような塗料を塗って紙にぺたっと魚拓みたいに残すことです。
それをまとめたのが武庫刀纂。武庫刀纂は水戸徳川家8代当主・斉脩（なりのぶ）が家に保管されている刀剣408本の精巧な模写・作成を命じて作られたもの。所謂、刀の名簿のようなもの。
燭台切もこれに押形が残っている為、震災後でもなんとか彼だとわかったのだという。更にミュージアムによる訳文によって武庫刀纂に彼の号の由来が書かれていたことがわかったそうです。
▼来歴
初期の持ち主は織田信長とされています。しかし、信長は燭台切と同じく光忠の刀を沢山、所有していたことから信長が燭台切となった光忠を所有していたかどうかはあやふやではあるがその後、豊臣秀吉へと移り、伊達政宗へと移り、その後は水戸徳川へと伝来していった。
燭台切は現在、刀剣乱舞で実装されている刀では一番最初に伊達家に来た刀。
燭台切→太鼓鐘貞宗（未実装）→大倶利伽羅→鶴丸が大体の順番。
伊達家には燭台切の他にも政宗の愛刀とされていたくろんぼ切景秀、鎬藤四郎、亘理来国光などがある。鎬藤四郎は粟田口の刀で吉光の短刀でもある。
▼伊達から水戸へ
燭台切は伊達から水戸へと伝わったのですがその時の「光忠を吾等に嫁入らせ候へ」が有名です。伊達家では彼を秘蔵としていましたが徳川家の頼房から懇望され進上したとされています。
3代将軍・家光が頼房に対して「政宗が光忠を持ってきたら大変珍しい刀だと言ってもらってこれないか」とざっくりと言えばこんな感じに言った。上記の「嫁入らせ～」は頼房が政宗に対して言った言葉だそうです。
政宗は「秘蔵の子なれど上様の媒人ではいやとも言れまじ」と言ってそのまま、進上したとも。ちなみに媒人とは【仲人＝媒人】なこうどと読み、つまりは結婚の仲介人のようなもの。
簡単に言えば「光忠は伊達家で秘蔵している刀だけれど頼房と家光の間の仲人となれば嫌とは言えない」みたいな感じでしょうか。
この説には他にも「頼房が強引に持っていった」等様々、あるようです。
▼関東大震災
水戸徳川家に伝わっていた刀で焼失したと言われているのは160口。この震災での刀剣の被害は最大とされているそうです。同家では名物の正宗、貞宗、燭台切と同じ光忠作も焼失したとも。
長くなりましたのでここまでにします。
閲覧ありがとうございました。
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