刀剣男士の史実を過去にいくつかまとめていたのですが今回、急遽一日限定で公開された「大倶利伽羅」について少し、掘り下げていこうと思います。
▼大倶利伽羅…現在、レア3の打刀となっている刀剣男士。過去のまとめ記事はこちらから→大倶利伽羅について
大倶利伽羅が展示されたのは奈良県・薬師寺慈恩殿。時間は午前9～午後17時までの間。
その他、下記の3振りも同時に公開されました。
・名物 鄙田青江（ひなたあおえ）（黒田家伝来）
・三条吉家（さんじょうよしいえ）（黒田家伝来）
・号 般若丸安綱（はんにゃまるやすつな）（国認定重要美術品 嵯峨家旧秘蔵品）
ちなみに大倶利伽羅は「名物 大倶利伽羅広光（おおくりからひろみつ）」となっており、国指定重要美術品 伊達家伝来となっています。更に大倶利伽羅の所有者は小夜左文字、乱藤四郎も所有しているとも。
大倶利伽羅は徳川家康より伊達政宗へと拝領。拝領とは当時の戦国武将が自分の上司等から戦での功績から何か、プレゼントされるということ。現代でいうボーナスとかそんな感じに似ています。
直接、政宗に渡されたわけではなく、伊達2代当主・伊達忠宗と2代将軍・徳川秀忠でのやり取りだったとされています。
その後は伊達家へと伝来。現在は個人蔵。
▼刀としての大倶利伽羅
大倶利伽羅は享保名物帳にも記載があります。名前の由来となった「倶利伽羅龍」が刀身の指裏、刀を腰に差して体の丁度腰部分に当たるほうに彫られているのが有名。
長さは2尺2寸半。現代の長さに直すと68.2cmとなります。日本刀における刃長さが大体、2尺（約60cm）以上のものを言います。太刀緒を腰から下げる形のものをさすとも言います。
ちなみに打刀は刃を上向きにして腰に差します。刀としての銘を切る位置が異なることもあり、例外は数多く存在するとも。
作者は相州・現在の神奈川県の広光。この作者の広光は刀工として有名な「正宗の子、養子、弟子」と言われたり、「正宗の師匠「新藤五国光の子、正宗の養子である貞宗の子」等諸説いろいろです。
製作年代は南北朝・1350年頃と言われています。
▼来歴
上記の伊達家へと伝来した後、明治17年（1884）8月に仙台から東京に移されます。
・昭和4年（1929）3月に開催されていた日本名宝展覧会では伊達興宗伯爵所持。
関東大震災も免れている。昭和9年（1934）12月20日に国指定の重要文化財へと指定。上記と同じように伊達家が所有、現存。
▼大倶利伽羅の摩り上げ時期
大倶利伽羅は現在、太刀ですが元は大太刀。今以上に大きかったそうです。時期としては戦国時代後期くらいだと言われています。大雑把には1510年前後。ただ、正確な年代ではないそうなのでまだ、はっきりとした年代はわかっていないそうです。
1510年くらいだとするなら伊達家に来る前、政宗も生まれる前になります。政宗は1567年に生まれていますのでその前になるでしょう。
摩り上げられる前はまだ、拝領する前の徳川家にいたのかもしれない。摩り上げるのは持ち主の身長に合わせたりという理由が挙げられる。
他にも用途を変える為にも摩り上げをしたということもあるそうです。
さて、今回はここまで。
またの機会に一人の刀剣をピックアップしていこうと思います。
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